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日本の賃貸契約を完全理解:敷金・礼金・保証会社・更新料のすべて

東京の賃貸は初期費用が家賃4〜6ヶ月分。礼金・敷金・保証会社費用の意味と、退去時に敷金を守る方法を解説。

日本の賃貸契約を完全理解:敷金・礼金・保証会社・更新料のすべて

すぐわかるポイント

  • この記事は日本に住む人向けです。旅行者は通常、賃貸契約を結びません。
  • 日本での生活を始める予定なら、賃貸物件の探し方と合わせて読んでください。
  • 短期滞在にはマンスリーマンション(レオパレス、OYO、サクラハウス等)が便利。礼金・保証人不要。
  • 初期費用は家賃4〜6ヶ月分。 家賃8万円の物件で32万〜48万円が鍵をもらう前に消える。
  • 礼金は大家へのお礼。返ってこない。 交渉で減額するか「礼金ゼロ」物件を探すこと。
  • 契約は2年更新料は家賃1ヶ月分が相場。特約事項を必ず読む — トラブルの元はここ。
  • 入居日に全部屋の写真を撮る。 日付入り。傷、汚れ、すべて。敷金を守る最強の証拠。
  • 困ったら法テラス(0570-078374) — 無料の多言語法律相談。

この記事でわかること:

  • 入居前に払う全費用(家賃8万円の実例付き)
  • 敷金・礼金・保証会社費用の本当の意味
  • 更新料の仕組みと交渉のコツ
  • 退去時に敷金を守る方法
  • 外国人を狙った落とし穴とその対処法

⏱️ 契約手続き: 1〜2時間(日本語ができる人を同席推奨)

💰 初期費用: 月額家賃の4〜6倍

⚠️ 注意点:

  • 礼金は返金なし — 契約前に交渉
  • 特約事項が標準ルールを上書きする
  • 入居日に日付入り写真を撮らないと敷金が危険

入居の本当のコスト:家賃8万円の具体例

日本の賃貸契約書と鍵

月額家賃はスタートラインに過ぎません。初期費用は4〜6ヶ月分が当たり前。

東京で家賃8万円の1K物件を借りる場合の実際の支払い:

費用項目金額返金
敷金80,000円(1ヶ月)一部返金(クリーニング費差引後)
礼金80,000円(1ヶ月)なし。絶対に。
仲介手数料88,000円(1ヶ月+税10%)なし
前家賃80,000円
保証会社利用料40,000〜80,000円(50〜100%)なし
火災保険15,000〜20,000円/年なし
鍵交換費15,000〜25,000円なし
合計約378,000〜433,000円

鍵を受け取る前に家賃4.7〜5.4ヶ月分。これが標準です。

それぞれの費用の意味

敷金(しききん) — 保証金。通常1〜2ヶ月分。退去時にクリーニング・修繕費を差し引いて返金。「敷金ゼロ」物件もあるが、退去時のクリーニング費が高くなることが多い。

礼金(れいきん) — 大家への「お礼金」。返金なし。0〜2ヶ月分。「礼金なし」「礼金ゼロ」の物件は増加傾向 — Suumo、Homes.co.jpで検索可能。

仲介手数料 — 不動産会社への手数料。法律で家賃1ヶ月分+税が上限。0.5ヶ月やゼロの会社もある。事前に確認を。

保証会社利用料 — 連帯保証人がいない場合(外国人はほぼ必須)、保証会社が代行。初回は家賃の50〜100%、年次更新は通常1万円。CasaJIDGlobal Trust Networks(外国人に強い)。

火災保険 — 加入必須。年15,000〜20,000円。火災・水漏れ・賠償責任をカバー。不動産会社の指定保険より自分で選んだほうが安いことが多い。


契約内容を理解する

日本の契約書に捺印する場面

日本の賃貸契約は細かい。読めない条項があるなら、読める人を連れて行くこと。

2種類の賃貸契約

1. 普通借家契約 — 全体の約90%

  • 契約期間:2年が標準
  • 借主に更新の権利あり。 大家は「正当事由」なしに更新拒否できない
  • 更新料:家賃1ヶ月分が相場(2年ごと)
  • 早期解約は1〜2ヶ月前通知で可能

借主にとって最も保護が強い契約。ほとんどの物件がこれ。

2. 定期借家契約 — 約10%

  • 期間満了で終了。自動更新なし。
  • 大家に再契約の義務なし
  • 一時的に貸し出しているオーナー物件に多い
  • 家賃が安いこともあるが、長期計画にはリスク

必ずどちらの契約か確認すること。

特約事項の落とし穴

特約事項(とくやくじこう)は大家が追加するカスタムルール。標準条件を上書きする。全行を読むこと。よくある罠:

  • 「退去時に専門業者によるクリーニング費用は借主負担」 — どんなにきれいにしても敷金から最低3〜5万円が引かれる。
  • 「壁に釘穴を開けてはならない」 — 通常、画鋲程度の穴は経年劣化。でも特約があると別。
  • 「ペット飼育の場合、追加敷金1ヶ月」 — 多くの場合、返金なし。
  • 「原状回復は借主の費用で」 — 曖昧な表現は何でも請求される可能性あり。具体的に何を指すか確認。

わからない条項があったら契約前に質問。印鑑や署名を押したら同意したことに。


更新料:住み続けるコスト

2年ごとに契約更新。無料ではありません:

費用相場
更新料家賃1ヶ月分
更新事務手数料10,000〜30,000円
保証会社更新10,000円/年
火災保険更新15,000〜20,000円

家賃8万円の場合、2年ごとに約10.5万〜13万円

更新料は交渉できる?

できる場合がある。選択肢:

  • 更新料の減額交渉(1ヶ月→0.5ヶ月)。空室率が高いエリアほど成功しやすい。
  • 更新時に家賃の値下げ交渉。 周辺相場が下がっていればチャンス。
  • 引っ越しをちらつかせる。 大家は空室のほうが損。ただし本気で引っ越す覚悟がある場合のみ。

知っておくべきこと: 日本の法律上、大家は正当事由なしに普通借家契約の更新を拒否できない。更新料の支払いを拒否しても、同条件で自動更新される(法定更新)。ただし関係は悪化するので、ほとんどの人は支払う。


退去と敷金返還:お金を守る方法

退去の流れ

ステップ1:書面で解約通知。 通常、退去の1〜2ヶ月前。契約書で正確な通知期間を確認。書面(メール+紙が最安全)。

ステップ2:退去立会い。 大家または管理会社と一緒に部屋を点検。傷、汚れ、損傷をチェック。

ステップ3:精算書を受け取る。 敷金からの控除内訳。

ステップ4:敷金返還。 通常、退去後1〜2ヶ月で振込。控除後の金額。

請求できないもの(国交省ガイドライン)

国土交通省が経年劣化・通常損耗の基準を定めています:

経年劣化(大家負担)借主の責任(あなたが払う)
日光による壁の変色クレヨン・マーカーの汚れ
画鋲の穴大きな釘穴・ネジ穴
家具によるカーペットのへこみタバコの焼け跡
畳の自然な日焼けペットによる床の傷
フローリングの軽い擦り傷水漏れ放置による損傷

ほぼ確実に引かれるもの

  • ハウスクリーニング: 1K/1LDKで30,000〜50,000円。特約に記載されていればほぼ確実。
  • 鍵交換: 15,000〜25,000円
  • エアコンクリーニング: 10,000〜15,000円(別途の場合あり)

敷金を守るための5つの鉄則

  1. 入居日に全部屋を撮影。 日付入り。傷、汚れ、すべて。自分宛にメールで送る。
  2. 退去日も同じアングルで撮影。 新たな損傷がないことの証明。
  3. 退去前に清掃する。 キッチン、浴室、換気扇は特に。
  4. 退去立会いに必ず本人が参加。 不在での点検は認めない。
  5. 精算書にその場でサインしない。 不同意なら:「確認してから返答します」

外国人を狙った落とし穴

不要なオプション費用の上乗せ

一部の不動産会社が初期費用にオプションを紛れ込ませる:24時間サポートサービス(15,000〜20,000円/年)、消毒料(15,000円)、インターネット設定(20,000円以上)。多くは任意。 こう聞くこと:「これは必須ですか?外せますか?」

退去時の過剰請求

精算額がおかしいと思ったら:

  1. 明細の内訳を要求
  2. 国交省ガイドラインと照合
  3. 法テラス(0570-078374) — 無料の多言語法律相談
  4. 区の無料法律相談 — 区役所のウェブサイトで日程確認

外国人への入居拒否

まだあります。減少傾向だが現実。対処法:

  • 外国人フレンドリーな不動産会社を使う: GaijinPot Apartments、Plaza Homes、Real Estate Japan、スマイティ
  • 日本人の友人・同僚に代わりに電話してもらう
  • 保証会社の利用で大家の不安を軽減
  • 大手法人系(UR住宅、レオパレス)は国籍による差別なし

トラブルシューティング

症状原因解決方法
敷金が返ってこない 過剰控除または返金遅延 明細を要求。国交省ガイドラインと比較。法テラス(0570-078374)に相談。
不要な初期費用を請求された オプションサービスの抱き合わせ 各項目に「これは必須ですか?」と確認。任意のものは外す。
契約書が日本語のみ 一般的な慣行 英訳または要約を依頼。日本語ができる人を契約時に同席させる。
大家が更新を拒否 普通借家:正当事由が必要。定期借家:期間満了で終了。 普通借家なら正当事由なしの拒否は違法。法律相談を。
カビ被害の責任を問われた 構造的問題(大家の責任)の場合も、借主のせいにされることがある 写真で記録。構造由来のカビは借主責任ではない。国交省ガイドラインを引用。

よくある質問

Q: 礼金をゼロに交渉できる?

A: できる場合が多い。築年数が古い物件、人気のないエリア、数ヶ月空室の物件は特に。不動産会社経由で大家に打診してもらう。拒否されたら「礼金ゼロ」物件をSuumoやHomes.co.jpで探す。

Q: 連帯保証人は必要?

A: 外国人はほぼ全員保証会社を利用。大家もこれを受け入れる。費用は初回が家賃の50〜100%+年次更新。Global Trust Networksは外国人に特化。

Q: 途中解約するとどうなる?

A: 通常、違約金として家賃1〜2ヶ月分。契約書を確認 — まれに残存期間分を請求される場合も。礼金は戻らず、敷金も一部失う可能性。

Q: 大家は家賃を上げられる?

A: 更新時に限り、双方合意の場合のみ。合意できなければ現行家賃が継続。大家が裁判で値上げを強制するのは住宅では極めてまれ。

Q: 契約書を翻訳してもらうべき?

A: 日本語に自信がないならはい。一部の不動産会社は英語の要約を提供。最低限、特約事項を日本語ができる人にチェックしてもらうこと。翻訳の小さなコストが、退去時の何十万円もの不意の請求を防ぐ。


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まとめ

  1. 初期費用は家賃4〜6ヶ月分を覚悟。 礼金は交渉するか、礼金ゼロ物件を探す。
  2. 特約事項を契約前に必ず読む。 退去時の請求はここで決まる。わからなければ質問。
  3. 入居日に日付入り写真を撮る。 この1つの行動が敷金を守る最大の武器。

次のステップ: 物件探し中なら賃貸物件ガイドへ。契約が決まったら、日本語ができる人を連れて契約に臨み、初日にすべてを撮影。


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